2月25日号の日本外食新聞は

★外食産業を動かす人々
K.A.M rich foods (カムリッチフーズ)
代表取締役社長/平野 健太氏
北海道食材活かした業態メーカーに
まずは《北海堂》FC化で産地活性を

★トップ記事
カムリッチフーズ(北海道)が取り組む地域活性化の新たなカタチ
地域産品PB化×FCの新モデル

 

 

 ――北海道産鮮魚97%の定食屋――
 店頭にはそう書かれている。18年6月27日、東京・JR新橋駅前にあるニュー新橋ビル内に一軒の定食屋がオープンした。それが北海道・札幌に本拠地を置くカムリッチフーズの「産直仕入れの北海道定食屋 北海堂」だ。
 この店は単なる定食屋ではない。終日、定食を食べられアルコールも飲め、15時からは居酒屋メニューも注文できる和製の「オールデイダイニング」だ。これだけなら珍しくない。いま注目の大衆食堂業態だからだ。
 そこに産直素材が加わる「飲める産直食堂」というのがこの店の特徴なのだ。実に魚の97%が北海道産。残りの3%にしても、「ロシアとの海域問題があり『北海道産』と謳えないだけで、加工地は北海道だ」(平野健太社長)という。
 その根底には、北海道に根を下ろす飲食企業だからできる「地域掘り下げ型」のビジネスモデルがある。その先駆けとなったのが16年4月14日、北海道上磯郡知内町(しりうちちょう)にオープンした牡蠣小屋「知内牡蠣番屋」の指定管理者として、知内町と協定を締結したことだ。
 北海道・小樽出身の「炭リッチ浜松町店」の伊藤孝之店長が道南支社の責任者として知内町に移住し、「知内牡蠣番屋」の店長として店を切り盛りする。目的は知内町の牡蠣の普及だ。
 16年10月には町民の娯楽の場として「知内ピザANDバーベキュー小屋」もオープン。人口わずか4000人の町で8人雇って80席の店を2店舗構え、知内町活性化のインフラは整った。この2店舗は単体でみれば、ここまでは赤字だ。しかし、3面の図にあるように、全国の催事10カ所への出店を行政にバックアップ(出店料=PR料)してもらい、その売上により補填してきた。そして、今夏までにはEC販売もスタートし、同社の「仕入れに真面目」事業部が開発した知内町のサイズの小さいB級品牡蠣を使った〈牡蠣の塩辛〉の通信販売も開始する計画だ。
 3面の図は、知内町と共に、接点を融合させる食のターミナル化を目指す構図を表したものだ。知内町とのコラボにより作った2店舗のリアル店舗を「知内町町民の娯楽の場」と位置付け、その特産品である牡蠣を使って開発したメニューである〈牡蠣の塩辛〉などを店舗で提供する以外に、全国の催事での販売とECを含む物販も手掛けることで、発信を強めていこうというものだ。
 知内町にある2店舗だけでなく……

《産直仕入れの北海道定食屋 北海堂》新橋店ファサード
《産直仕入れの北海道定食屋 北海堂》新橋店ファサード
北海道宗谷町村会との包括連携協定締結式の模様。右がK.A.M rich foods代表の平野健太さん
北海道宗谷町村会との包括連携協定締結式の模様。右がK.A.M rich foods代表の平野健太さん

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