7月5日号の日本外食新聞は

★外食産業を動かす人々

中学生から働き肉や経営の勉強し独立
低リスクで店長が社長になれる体制を

シゲキッチン 代表取締役　間宮 茂雄 氏

■7月5日号の主な内容

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居酒屋JAPAN2021連動企画
トリドールHD 小さな焼鳥店から海外進出へ　こうして急成長を遂げた!!

飲食業界では、一代で日本だけでなく海外にも進出し、世界に通用するブランドを育てるサクセスストーリーがいくつも生まれている。２０２０年１月22・23の両日、東京・池袋サンシャインシティ文化会館ビルで開催された第５回「居酒屋ＪＡＰＡＮ２０２０」のセミナーでは、そんな成功者の１人で「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングスの粟田貴也社長が、いかに時代の変化を敏感に感じ取る感性を武器に成長させてきたかを語った。

◇◇◇

今富信至（以下、今富）　「丸亀製麺」などを展開し、現在は海外にも進出しているトリドールホールディングス（以下、トリドール）の始まりは、小さな１軒の焼鳥店だったということで、粟田貴也社長に話を伺いながら深掘りしていきたいと思います。最初は兵庫・加古川から始まったということですね。

粟田貴也（以下、粟田）　加古川市は姫路市と明石市の間にあり、海浜に多くの工場が並ぶ重工業地帯。とても小さな街で、私はそこに３歳から42歳まで住居を構えていた。今は東京・渋谷に本社を移したが、創業から東証マザーズ上場までは加古川に本社があった。

今富　加古川は関西人からすると電車や車で通過する街というイメージです。

粟田　加古川の長屋に出したのが１号店で、２階に住居というほどではないけれど４畳半と３畳の部屋があった。アパートは別に借りていたが、朝まで営業していたので必然的にここで寝るという感じだった。

そこは飲食街というほどでもなかったが、長屋があってしみじみとした昔ながらの田舎の通りだった。

今富　焼鳥業態で始めた店名が社名になるまで大成功したということでしょうか。

粟田　最初は大失敗だった。よく聞かれるけれど、「トリドール」は若い頃に語呂合わせで考えた屋号で、特に深い意味はない。幼なじみだった妻と２人で開業して、「３軒ぐらい持てたらかっこいいよね」と話しながら、23歳の夏に大工さんと手仕事で焼鳥店にした。でも最初は全然お客さんが入らなかった。

今富　周りに何もなさそうですしね。それまでに焼鳥を経験していましたか。

粟田　手習い程度には。元々は喫茶店を出すつもりで資金を貯めていたところ、赤ちょうちんとの出会いがあり、居酒屋がいいかなと急きょ方向転換した。それで、炉端焼きで急成長していた「がんこ」に１年ほど入った。

今富　当時、炉端焼きの「がんこ」と言えば、すごかったですね。

粟田　開店時に間違って早く開けてしまうと、そのままお客さんがなだれ込んでくるので、時間ギリギリまでシャッターを開けないくらいお客さんが多かった。そして、一度開けると最後までお客さんが途絶えることなく、一日を終える感じだった。

そんな忙しい日々を経験してきたので、自分も店を開いたらお客さんがなだれ込んでくるものだと思っていたが、そうはならなかった。

今富　神戸ではなく加古川ですからね。

粟田　今なら土地柄などを色々と調べるだろうが、その当時は……

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