5月15日号の日本外食新聞は

★外食産業を動かす人々

「スタッフのやりたい店」を展開へ
コロナ後に食事業態チャレンジを

フィッシュウェル 代表取締役 日紫喜 智氏

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負けるな!!外食 応援企画★第6弾
野菜や魚介類、酒類などをテイクアウト商品と共に小売りする!!
店頭マルシェ化は店を救うのか

東京・神宮前《魚まみれ 眞吉 神宮前 本館場末店》。魚屋をはじめて店に活気が戻る

5月7日、午前10時。都内の「魚まみれ 眞吉神宮前 本館場末店」を訪れると、店を開放し、忙しそうに発泡スチロールを並べる姿があった。この店をはじめ「魚まみれ 眞吉」ブランドの海鮮居酒屋を都内に5店舗展開するフィッシュウェル代表の日紫喜智(ひしき・さとし)さんだ。

日紫喜さんは5店舗中3店舗でランチとテイクアウトの自粛営業中で、そのうち1店舗で魚介類販売業の許可を取り、4月23日から魚介類の小売販売を開始。豊洲市場が開いている日は毎日、日紫喜さんが仕入れに行き、ほぼ全量を2時間程度で売り切ってしまう。

取材に訪れたのはゴールデンウイークが明けた5月7日。原宿駅、外苑前駅、北参道駅――どこからも遠い「陸の孤島」的な立地。日紫喜さんが洒落で「場末(ばすえ)店」と付けているのも頷ける立地なのだ。

正直、店に行ってみて「毎日、25万円程度仕入れた魚が約2時間で完売するんです」という日紫喜さんの言葉を「本当かな?」と、疑いたくなるほどの場所。住宅街でも、オフィス街でもない。アパレル企業のオフィスが多いというが、自粛により営業している店そのものがほとんどない。そんな立地状況なのだ。

しかし、店に着いて10分もしないうち、つまり、開店の一時間も前なのに、どこから現れるのか、1人、また1人とお客さんがやってきて、「あら安いわね。この金目鯛下ろして頂けるの?」といった会話が交わされたかと思うと、3000円、6000円と、飛ぶように魚が売れていく。嘘でも大袈裟でもなかった。連休明けだろうが、その売れ行きにほとんど変わりはなかったのだ。

「本当にいま楽しい。儲け云々ではなく、漁師さん、仲買さん、お客さん、みんなが喜んでくれる。ずっと店を閉めて自粛していて、この魚屋を始めてみて本当に仕事があるって幸せなんだと、つくづく思う。幸せを噛みしめながら、豊洲に行き、店で魚を売っているという感覚だ」

日紫喜さんは、「今までお世話になってきた業者さんが無くなってしまったら、コロナが収まった時にどこから仕入れればいいのか。余って廃棄されてしまう魚介類を買って、少しでも手助けしたい」との思いから、許可の取れた「神宮前 本館場末店」で魚介類の販売を開始したのだった。そのため……

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