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負けるな!!外食 応援企画★第3弾
長期戦に突入へ──打てる手は打ち続けよう!!
コロナに負けない!諦めない!

ロックダウン時はデリバリーとテイクアウトしか手段がない

3月20~22日の3連休は気温が上昇し、桜の開花も始まったことから、関東や関西の大都市圏では、「自粛疲れ」がピークに達した人々が街に出て、かなりの人出があった。19日も、「お客さんがだいぶ戻った」との声が聞かれたほどだ。

しかし、その結果、東京都は3月25日、都内で新型コロナウイルスに新たに計41人が感染していることが判明したと発表し、小池百合子都知事は同日夜、緊急の記者会見を開いた。

わずか「41人の感染者」で小池知事が緊急会見まで開いて「感染爆発、重大局面」だと語った背景には、41人のうち、「感染ルートがわからない感染者」が十数人出てきたことがある。

新型コロナ対策で恐ろしいのは、局地的に爆発的な感染拡大(オーバーシュート)が起きること。クラスター(感染者集団)を特定できない感染者が増加することで、このオーバーシュートが起きる。オーバーシュートが起きると、医療崩壊が起き、重症患者が入院して手当を受けられない事態に陥ってしまうことが一番の懸念だ。

専門家によれば、「東京では3月25日現在、20のクラスターが独立して存在していたが、若者などの軽症者が無意識に感染を拡大させると、イタリアのように数週間で爆発的に感染者数が増える危険性がある。現在の1400人弱(3月27日現在)から1万人程度にまで、東京を中心に一気に広がる可能性がある」という。そのために、小池知事は都内で感染が確認される人が増えていることを受けて3月26日、「まさに感染爆発、オーバーシュートが生じるかどうかの重大な岐路にいる」と述べ、4月12日まで、都民一人ひとりが不要不急の外出を自粛するなど感染拡大の防止に協力するよう呼びかけたわけだ。

専門家の話を総合すると、「2週間の潜伏期間を考えると、先の3連休前あたりからの『街の賑わい』による感染拡大結果が、早ければ3月31 日頃から現れてくる」ことになる。

つまり、ロックダウン状態になるかどうかは、この原稿を書いている4月1日現在では不明だが、現状を見る限り、短く見ても3月28・29日の週末から3週間程度(4月19日頃まで)、状況によっては4月一杯は「外出自粛」が続く可能性は十分にあり得る。安倍晋三首相も28日の緊急会見で「ギリギリの状況」と繰り返し発言していたことから、4月に入って早々に緊急事態宣言とロックダウンの発表が出ても何の不思議もない。

3月30日に小池都知事が会見で「バーやナイトクラブといった接待を伴う飲食店への出入り自粛を」と発言したことを受けて、エー・ピーカンパニーや、てっぺんをはじめ、2週間程度、営業休止を発表する飲食企業が相次いだ。また、3 月28・29日に続き、4月4・5日と、11・12日の各週末の臨時休業を決めたルミネや銀座東急ブラザなど、週末の営業取り止めを発表する商業施設も見られ、「補償なき自粛の拡大」に、都心に出店する飲食企業はさらに窮地に追い込まれている。

安倍首相が先の記者会見で「最大限の警戒を国民にお願いする。この戦いは長期戦を覚悟する必要がある」と訴えたことに全てが集約されている。その後も自粛が継続することを考えると、我々の想像以上に、この「コロナ戦争」は長い戦いになる。

ということは、テイクアウトおよびデリバリーを開始する、または強化して、少しでも売上補填をするか、クラウドファンディングもしくは手売りなどにより前売り食事券を売るか、はたまたこれを機に名物料理の通信販売を開始するか――と、打てる手の選択肢はそう多くはない。もし、やれるならば、片っ端からやって、少しでも実入りを増やす方策を打った方が賢明だ。そして、いよいよの事態の時には一時的に店を閉めることも想定しておいた方がいい(※後述する返済不要の休業補償・雇用助成金の記事を参照)。

すでにロックダウンしている各国の状況をみると……

東京・学芸大学の人気店《リ・カーリカ》の〈元気になっちゃうリカリカおつまみセット!〉を持つオーナーシェフの堤亮輔さん(写真右)

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【連載】

・ソトスマ 4月5日号
・印束義則の繁盛店実況中継 43-①
千葉・柏/《Osteria le Terre(オステリア レ テッレ)》

【オープン】

ファンファン飲茶/町鮨とろたく/焼肉放題 うし越USHIGOE 西葛西店/京都炭火串焼つじや京都駅八条口店