外食産業記者会選考「外食アワード2021」に 「スシロー」F&LC水留社長ら7氏選出

外食産業関連の専門紙誌で構成し、本紙も加盟する「外食産業記者会」http://www.g-kishakai.net/は、外食業界で活躍した人を表彰する「外食アワード2021」(特別協賛・焼肉ビジネスフェア事務局/居酒屋JAPAN事務局)を決定した。

21年の外食アワードとして、「スシロー」などを経営するFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)水留浩一社長をはじめとする外食事業者6氏、中間流通・外食支援事業者1氏の計7氏を選出した。外食アワードは外食産業記者会の創立25周年の記念事業として誕生し、現在も継続している表彰制度で、今回で18回目を迎える。「外食アワード2021」の表彰式・レセプションは22年1月19日15時から、東京・池袋サンシャインシティ文化会館で開催する「焼肉ビジネスフェア2022」「居酒屋JAPAN2022」(同時開催・相互乗り入れ)のセミナー会場で行う。受賞者は次のとおり(受賞者名=授賞理由)。

【外食事業者】


△水留浩一氏(FOOD & LIFE COMPANIES代表取締役社長CEO)=回転寿司業界最大手の「スシロー」トップに2015年就任し、「スシロー」が持つコンセプトをブラッシュアップ。商品面やプロモーションで手腕を発揮し、他社をさらに引き離した。事業の構造改革にも熱心で郊外ロードサイドの「スシロー」とは別に、繁華街型の寿司居酒屋業態の「杉玉」をいち早く開発。すでに40店以上を展開する。また老舗寿司店「京樽」を買収し、テイクアウト専門店を強化するとともに、「京樽」が持つ回転寿司店「海鮮三崎港」の改革にも着手。寿司業界の革命児として存在感を発揮している。

△藤田建氏(GOSSO代表取締役)=ストレスフリーのエンタメ焼肉をコンセプトにした「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。全卓に設置された卓上レモンサワーは「0秒レモンサワー」の愛称で一大ブームを巻き起こした。模倣店も全国に拡がり、卓上レモンサワーの火付け役となった。19年12月、神奈川・横浜の1号店のオープンを皮切りに、20年7月には旗艦店である東京・渋谷店をオープン。その後もコロナ禍にもかかわらず、出店の勢いは止まることなく、21年11月にオープンした奈良・近鉄奈良店で45店舗となった。

△赤塚元気氏(DREAM ON代表取締役社長)=居酒屋業態を主力にする中で、コロナ禍前から育成していたカフェ業態「Espresso D’ Works(EDW)」と食パンの物販店「One Hundred Bakery」の出店を一気に加速させ、コロナ禍にありながら行列の絶えない繁盛店を創り上げた。さらに、居酒屋の二毛作店としてスタートしたハンバーグ専門店「君のハンバーグを食べたい」がヒット。コロナ禍という逆風を原動力に事業を拡大した様は、飲食業の機動力と可能性を大いに見せつけた。

△山本昇平氏(挽肉と米 Chief Meat Rice Officer/CRO)/清宮としゆき氏( 同・Chief Executive Officer/CEO)/小西利行氏(同・Chief Creative Officer/CCO)=「挽きたて、焼きたて、炊きたて」の3たてにこだわった炭火焼きハンバーグと炊きたてごはん専門店「挽肉と米」が大ブレイク。炊きたての米の上に焼きたてのハンバーグをのせて食すという体験を買ってもらう──外食の最大かつ独自の強みである「体験」。それをシンプルに掘り下げた。単に生産性を上げて高回転の店を創るのではなく、「場があることを活かした商品提供」と「商品価値の向上」といった、これまでの飲食のあり方とは異なるアプローチでブランディングに成功。店舗数至上主義、売上至上主義の外食業界に一石を投じた。店舗ができるまでの間、キッチンカーで始動。開店までの模様を一連のストーリーとしてSNSで発信し続けるなど、新たなブランディングの形も示した。

【中間流通・外食支援事業者】


△野口克氏( サンデン・リテールシステム専務執行役員コールドチェーン事業部長)=冷凍自動販売機「ど冷(ひ)えもん」を21年1月末発売以来、外食関連企業から想定以上の注文が入った。24時間無人販売、非対面で購入できるといった「ど冷えもん」の特長がコロナ禍で支持された。業務用麺類を製造する丸山製麺は「ど冷えもん」を活用し全国の有名ラーメン店の味が楽しめる冷凍ラーメン自販機「ヌードルツアーズ」を展開、設置数は50カ所にのぼる。リンガーハットは21年10月から「ど冷えもん」を全国の店舗に設置し、冷凍長崎ちゃんぽんを販売するなど導入先が増え続けている。「営業時間にとらわれない」「人件費を抑えることができる」「冷凍保存で食品ロスを削減できる」などの利点はコロナ禍後も通じるといえる。

なお、同記者会が選んだ20年の外食キーワードは、「酒類提供禁止」「DX」「ミートショック」「チキンバーガー」「フルーツサンド」「映えグラス」